2025年06月09日
【広報発表】「台湾ITRIが開発したCO2回収装置を用いてCO2回収技術の実証試験を開始」の広報発表を行いました。
2025年6月9日 実証試験開始
CCUシステムとCO2回収技術の実証試験の概要
実証試験メンバー
財団法人工業技術研究院(台湾、以下英略:ITRI※1)が開発したCO2回収装置を先端技術総合研究所に設置し、排ガスからCO2を回収する実証試験を6月9日に開始しました。
当社とITRIは、地球規模の課題である気候変動問題の解決に向け、CCU※2技術の研究開発に取り組んでいます。
今回、ITRIが開発したCO2回収装置を先端技術総合研究所の蒸気発生ボイラーに接続し、蒸気発生ボイラーの排ガスに含まれるCO2を回収します。
このCO2回収装置は「固体吸着方式」を採用しており、水溶液の蒸発によるエネルギー損失が発生しないため、CO2回収に必要なエネルギーを低減できます。また、当社が空調冷熱システムや産業システムなどの幅広い分野で長年培ってきた、高度なシステム設計・制御技術やエネルギーマネージメント技術を活かし、よりエネルギー効率の高いCO2回収技術の確立を目指します。
当社とITRIはこの実証試験の成果を活用し、CO2の回収から利用まで一貫して実現するCCUシステムを早期に社会実装していくため、研究開発を加速していきます。
さらに、当社が取り組むE&Fソリューション※3と組み合わせて、工場やプラントなどの需要家におけるカーボンリサイクルの実現を目指します。
今後は、CO2回収技術のエネルギー効率の向上を目指し、本実証試験を2027年9月までに完了予定です。また、高度なCCUシステムの構築に向け、応用研究や他社との連携・共創にも取り組み、2029年度以降の実用化を目指します。
◆実証試験メンバーから◆
2024年4月にITRIと研究協力を始めて、台湾出張も楽しみながら、CCU技術を開発してきました。排ガスからのCO2を回収する実証試験を始めることができ、ワクワクしています。
この実証試験を通して、工場や製作所に適用できる、エネルギー効率の高いCO2回収を目指します。生産量が増えてもCO2排出量が減る工場を作って、経済発展と環境問題の両方に貢献したいです。
※1ITRI:Industrial Technology Research Institute
※2Carbon dioxide Capture and Utilization
発電所や工場などから排出されたCO₂を分離・回収し、資源として燃料や化学品の製造に有効利用する
※3Energy & Facility(エネルギー&ファシリティ)ソリューションの略称